



















い
か
さ
た
- 髙島 章子
祖母のとしはるかに越えし母なれどおばあさんは?と安否を問えり - 高橋 愛音
「昔むかし」聞かせてくれる過去のことそのとき私は時間を旅する - 髙橋 洋子
難聴の我に神様は目で読むを残してくれき書くも楽しき - 竹内 千世子
一人部屋に人の声するテレビ置く黒い巨人は字幕も大きい - 竹村 萌奈
洋服の着る順番は忘れても忘れずにとるじゃがいもの芽 - 田中 貴子
お互いの介護生活予行する痛む手足に湿布貼りあう - 棚野 久子
「ボール投げ一番だった」無口なる夫がきり出すデイの一日 - 田原 京子
スマホにはたんこぶのある母の顔そっと画面を撫 でてあげたり - 玉里 みどり
孫の撒 く桜吹雪を夫は見る十五分間だけの面会 - 田村 裕
床上げし畳の色はそこにだけ父の時間をまだ留 めてる