2015年 2月号 NO.175
【明日へのことば】

南極料理人の「ごはんにしよう」
西村 淳



西村淳(にしむら・じゅん、62歳)さんは北海道留萌(るもい)市の出身。1996(平成8)年の第38次南極観測隊に調理担当として参加し、南極の小さな基地で一年間を過ごしました。雪原の初対面同士の隊員が9人。過酷な環境の中、毎日の食事が重要な役割を果たします。1988(昭和63)年にも昭和基地での越冬経験のある西村さんは、「心の通い合いは、なによりもおいしい食事から」と、限られた食材で日々楽しい食卓を工夫します。その実践を書き綴った「面白南極料理人シリーズ」(新潮文庫)は人気を博し、映画にもなりました。食の大切さを実感した原点は、少年のころ食べた祖母のおむすびと語ります。
*「ラジオ深夜便のつどい」北海道新十津川町(2014年9月27日)での講演より。