1998年 春号 NO.08
【人生読本】

無言館
― 戦没画学生の絵は語る

窪島誠一郎



窪島誠一郎さんは、昭和16年のお生まれです。高校中退ののち、酒場や画廊経営を経て、19年前信州上田の地に、若くして亡くなった村山槐多、野田英夫などの、いわゆる夭折の画家の美術館「信濃デッサン館」を完成させています。また、養父母が決して語らなかった実の親をさがし求め、作家水上勉さんが実の父親であった経緯を綴った著書『父への手紙』は、出版当時大きな反響をよびました。窪島さんにとって二館目の美術館となる無言館は、「信濃デッサン館」から少し離れた小高い丘の上に建っています。ここには、画家になる夢をもちながら、先の戦争で亡くなった戦没画学生たち32人の作品と遺品が展示されています。開館から半年たった無言館で、窪島さんにお話をうかがいました。