2009年 7月号 NO.108
【こころの時代】

精神科医として、作家としての日々
帚木蓬生



精神科医で作家の帚木蓬生《ははきぎほうせい》さんは、1947(昭和22)年、福岡県生まれです。東京大学仏文科を卒業後、放送局に就職。テレビ番組の制作に携わりましたが、退職して九州大学医学部に入り直し、医学の道に進みました。在学中に書いた第一作『白い夏の墓標』(新潮文庫。以下、断りのないものは同じ)が直木賞候補となって以後、『三たびの海峡』(第14回吉川英治文学新人賞)、『閉鎖病棟』(第8回山本周五郎賞)など、精神科医の仕事を続けながら数々の作品を発表してきました。昨年7月、急性骨髄性白血病の診断を受けて死を意識したとき、患者と向き合う姿勢が変わったと語ります。 [聞き手 竹内 実]