2005年 8月号 NO.61
【こころの時代】

極限を生きて
〜戦後六十年を見つめて

小野田寛郎



 小野田寛郎《おのだひろお》さんは1922(大正11)年生まれです。44(昭和19)年、陸軍中野学校二俣《ふたまた》分校を卒業、情報員としてフィリピンの首都マニラの南西約160キロにあるルバング島に派遣され、45年8月15日を迎えました。しかし終戦の情報を米軍による投降工作の謀略と考えた小野田さんは、その後29年間にわたり、ルバング島の山中を移動して情報員としての活動を続けることになります。作戦任務解除命令を受けて日本に帰国したのは、74年のことでした。現在小野田さんは、移住先のブラジルで牧場を経営する一方、日本で「小野田自然塾」を主宰、自然の中で共同生活を送るキャンプを通して、青少年の育成に力を注いでいます。 [聞き手 金光寿郎《かなみつとしお》]