2006年 10月号 NO.75
【こころの時代】

父と『星の王子さま』
内藤初穂・佼子



 作家の内藤初穂《ないとうはつほ》さんは、1921(大正10)年、フランス文学者内藤濯《あろう》(1883〜1977)の長男として生まれました。濯はサン・テグジュペリの『星の王子さま』の訳者であり、その訳は多くの読者を魅了してきました。没後30年の今年、初穂さんは父の伝記『星の王子の影とかたちと』(筑摩書房)を発表し、第54回日本エッセイストクラブ賞を受賞しました。また、『星の王子さま』初版出版当時、編集者として翻訳の口述筆記にあたったのが、初穂さんの妻・佼子《こうこ》さんでした。お2人が、濯の人となり、『星の王子さま』に込められた思いを語ります。 [聞き手 鈴木健次]