2008年 5月号 NO.94
【こころの時代】

比谷公園が見つめた時代
小坂哲瑯



明治36(1903)年、日本初の洋風都市公園として誕生した日比谷公園(東京)は、モダンボーイやモダンガールが集まる流行最先端の場所でした。一方、日比谷焼き討ち事件や米騒動、関東大震災、太平洋戦争といった歴史の荒波にさらされてきました。小坂哲瑯《こさかてつろう》さん(76歳)は、その日比谷公園内に店を構えるレストラン「松本楼」の社長です。小坂さんの祖父・梅吉さんが創業し、父・光雄さんがさまざまな苦難を乗り越えて続けてきた「松本楼」の歴史は、明治、大正から昭和、平成へ至る日本の歴史そのものでした。祖父、父から三代目社長を受け継いだ小坂さんが、今、平和な公園づくりにかける思いを語ります。 [聞き手 佐野剛平]