2008年 11月号 NO.100
【こころの時代】

言葉の皮を剥きながら
〜『岩倉具視』を書き終えて

永井路子



 作家の永井路子《ながいみちこ》さんは、1925(大正14)年、東京生まれです。64(昭和39)年、『炎環』で直木賞を受賞、97(平成9)年には、NHKの大河ドラマ〈草燃える〉〈毛利元就《もとなり》〉の原作者として放送文化賞を贈られています。最新作『岩倉具視《ともみ》〜言葉の皮を剥《む》きながら』(文藝春秋)は、永井さんが 40年来構想をあたためてきた力作で、明治の元勲、岩倉具視の実像を掘り起こしています。さまざまな思惑が交錯する幕末にあって、皇女和宮《かずのみや》と徳川14代将軍家茂《いえもち》の結婚を実現させた岩倉。その半生を浮き彫りにしながら、歴史の真実を見誤らないために必要なことは何か、永井さんが語ります。 [聞き手 鈴木健次]