2006年 9月号 NO.74
【こころの時代】

学ぶ楽しさ、すばらしさ
〜夜間中学生と歩んだ四十二年

見城慶和



 さまざまな事情から学びの機会を奪われた人たちが通う夜間中学校がスタートしたのは、敗戦から2年後の1947(昭和22)年のことでした。当初、貧困による長期欠席者救済のために開設されましたが、その役割は時代とともに変遷し、現在も全国で約2600人の生徒が学んでいます。その夜間中学校の教師だった見城慶和《けんじょうよしかず》さんは、そこに通う生徒たちの哀《かな》しみや苦しみ、喜びを、42年間にわたり見つめ続けてきました。退職後の現在も、ボランティアとして自主学習のグループ「えんぴつの会」の活動を続けています。99(平成11)年にはその実践を評価され、吉川英治文化賞を受賞しています。 [聞き手 久保醇《じゅん》]