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2005年 4月号 NO.57
【こころの時代】
亡き父・水上勉への手紙
窪島誠一郎
昨年九月、85歳で亡くなった作家の水上勉《みずかみとむ》さんは、戦時中結核を患い、1944(昭和19)年、当時2歳半だった息子・凌《りょう》を他家に手放しました。養父母の窪島《くぼしま》茂さん・はつさん夫妻は、その子に「誠一郎」という名をつけ、育てあげたのです。
その窪島誠一郎さんは、現在、夭折《ようせつ》の画家のデッサンを中心に展示する「信濃デッサン館」と、戦没画学生慰霊美術館「無言館」(いずれも長野県上田市)の館主です。少年時代、自分の出生に疑問を持った窪島さんは、35歳のときに実の父、水上さんと再会を果たしました。窪島さんが、水上さんとの親交を語ります。
[聞き手 西橋正泰《まさひろ》]
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