1999年 5−6月号 NO.13
【その他】

追悼 ≪山岡久乃さん 最後の芸談≫
習うより慣れろ



母親役などでテレビや舞台などで活躍してきた女優の山岡久乃さんが、2月15日夜10時過ぎ、川崎市内の病院で心不全のため亡くなりました。72歳でした。山岡さんは、戦後、舞台芸術アカデミー(俳優座養成所の前身)を経て、昭和24年俳優座に入り、その後29年には青年座の結成に加わりました(46年退団)。舞台で看板女優として活躍する一方、テレビドラマにも数多く出演し人気を集めました。平成2年に紫綬褒章を受章、平成4年には庶民的女性の泣き笑いの人生を描いた「流水橋」で芸術大賞を受賞しました。山岡さんは去年2月に体調を崩し、その後胆管結石の疑いで開腹手術を受けたところ、胆管にがんがあることがわかりました。本人も7月に告知を受け、今年夏の舞台出演の予定をみずから辞退し、病院に入院して闘病生活を送っていました。そうしたなかで山岡さんが語った最後の芸談です。