2012年 12月号 NO.149
【日本のあす、私の提言】

歴史に学ぶ日本人の選択
加藤陽子



「東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会」(政府事故調)の最終報告書が7月に出されました。事故を詳しく検証したうえで、日本の戦後を牽引してきた科学技術運用の仕組みが劣化してきていることを指摘し、安全を最優先した防災思想の確立を提言しました。しかし、この報告書が提出される前に、政府は関西電力大飯(おおい)原子力発電所再稼働の判断を導きました。東京大学大学院教授(日本近代史)の加藤陽子(かとうようこ)さん(52歳)は、この判断に疑問を投げかけ、日本が歩んできた歴史を振り返り、岐路に立つ日本の選ぶべき道は何か、民意とどう向き合うべきなのかを語ります。 [聞き手 福重正信]