NHK技術カタログ

キューブ型触覚デバイス

立方体の各面に様々な触感を提示することで情報を伝えることのできるキューブ型触覚デバイスです。

利用分野

・ユニバーサルサービス
・障がい者への情報保障
・映像コンテンツの臨場感や没入感の向上

特長

(1) 各面を独立に振動させることができます。
(2) 無線制御の小型デバイスなので、利用シーンがあまり限定されません。

技術解説

近年、触覚情報の提示技術はVR 分野を中心に発展していますが、触覚情報の提示は、コンテンツの 臨場感や没入感の向上に加え、視覚や聴覚に障がいのある方への情報保障にも効果的です。そこで、臨 場感の向上が期待でき、情報伝達が可能な、コンパクトなキューブ型の触覚デバイスの技術を提供します。
このキューブ型デバイスは立方体の各面を独立に振動させることができ、様々な触感を提示すること ができます。提示されるコンテンツや伝えたい情報に従って振動させる面や振動のパターンを決めて提 示することで、コンテンツの臨場感の向上や情報保障に寄与します。

(1) 触覚情報の付与によるコンテンツの臨場感や没入感の向上
既存の映像コンテンツに合わせて触覚情報を付与することができます。例えば、下図(a) のように、画面右から登場人物がドアを開けて入ってくるシーンでは、デバイスの右側面に、ドアが開いたときに感じられるような振動を提示することで、触覚を介して情景を伝えることができ、臨場感や没入感の向上が期待できます。

(2) 触覚による情報保障
視覚や聴覚に障がいのある方に向けて、視覚情報や聴覚情報を触覚情報に置き換えて伝えることがで きます。例えば、下図(b) に示すような卓球映像の場合は、画面手前のプレーヤーが球を打ったときにはデバイスの手前の面にラケットに球が当たる感触のような振動を提示し、奥のプレーヤーの打撃の際には奥の面を振動させます。加えて、球がバウンドするときには、コツンという振動を底面に提示します。このように、適切な面に適切な振動を提示することで卓球のラリーの様子を触覚で伝えることができます。

提供可能な技術

・多面体の各面を独立に振動させる技術
・ソフトウェアによる映像コンテンツへの触覚情報の付与技術

関連特許

特許第6993825号 触覚提供装置、触覚提供システム、情報処理装置、及びプログラム
(上記のリンクは開放特許DBにリンクしており、NHK財団のWebサイトから離れます)

≪キーワード≫触覚提示技術 / ハプティクスデバイス

本技術の利用に関するご相談窓口:URL https://www.nhk-fdn.or.jp/es/transfer/contact.html