NHK技術カタログ

ロボットカメラ・バーチャルカメラのカメラワーク制御技術

プロが撮影したようなスムーズなカメラワーク(視点位置やカメラアングルの制御)を、3DCGのバーチャルカメラやロボットカメラにおいて実現するための制御技術です。

利用分野

・8K映像等からの切り出し映像制作(ROI※制作)
・3DCGにおけるバーチャルカメラワーク(視点位置やカメラアングルの制御)
・ロボットカメラのパン・チルト・ズーム駆動

特長

(1)ショックの少ないスムーズで自然なカメラワークが可能です。
(2)切り出し映像制作やバーチャルカメラワークでは、カメラワークの遷移時間を厳密に調整できます。
(3)ロボットカメラでは駆動装置(アクチュエーター)の性能に応じた迅速かつ平滑な制御が可能です。


※Region of Interest: 関心領域、またはその領域を切り出すこと

技術解説

プロの撮影では、カメラアングル操作時の動作の加減速を繊細にコントロールすることで、映像視聴時の動揺感などの不快さを抑えつつ、緩急メリハリのあるカメラワークを実現しています。カメラアングルを自動制御する場合にも、適切なスピード感と始動・静定時の動作の滑らかさが映像の自然さ・見やすさの決め手となります。これらを考慮した、バーチャルカメラ用とロボットカメラ用のカメラワーク制御技術を提供します。

(1)バーチャルカメラおよび切り出し映像制作用のカメラワーク制御
加加速度(加速度の時間変化、ジャーク)を制限した遷移カーブによりカメラアングルを制御することで、アングル変化の始動・静定時の動揺感を抑えつつ、所望の時間での遷移を実現します。速いカメラワークではダイナミックさと見やすさを両立します。3DCG の視点位置や姿勢・画角の制御のほか、切り出し映像制作(ROI 制作)の切り出し位置の制御にも好適です。

(2)ロボットカメラ用のカメラワーク制御
ロボットカメラでは、映像演出上の見やすさ・ダイナミックさへの要求に加えて、搭載カメラの慣性モーメントやアクチュエーターのトルクといった物理的制約を受けます。こうした要求・制約を考慮しつつ高速動作用の粗動制御と静定用の微動制御を適切に切り替えることでメリハリのあるカメラワークを実現します。

提供可能な技術

・切り出し映像制作およびバーチャルカメラのカメラワーク制御技術
・ロボットカメラ用のアクチュエーター制御技術

関連特許

特許第7357555 号 スライディングモード制御を行う制御装置及びプログラム
特許第7304704 号 画像切出装置、画像解析装置及びプログラム
(上記のリンクは開放特許DBにリンクしており、NHK財団のWebサイトから離れます)

≪キーワード≫切り出し映像制作/カメラワーク/ロボットカメラ制御/バーチャルカメラ

本技術の利用に関するご相談窓口:URL https://www.nhk-fdn.or.jp/es/transfer/contact.html